
2年待った。2023年9月から2024年3月にかけて全28話が放送された第1期の余韻が、ようやく新しい映像で上書きされる日が来ました。アニメ『葬送のフリーレン』第2期が、2026年1月から放送中です。監督もキャラクターデザインも変わった新体制。正直、不安がなかったと言えば嘘になります。でも、第29話の冒頭を見た瞬間に確信しました。この作品の「温度」は、ちゃんと受け継がれている、と。本記事では、1期視聴済みの方に向けて、ネタバレなしで2期序盤の魅力をお伝えします。
作品概要:一級魔法使い試験を経て、北へ
第2期は2026年1月16日から毎週金曜23時、日本テレビ系「FRIDAY ANIME NIGHT」枠で放送中です。1クール全10話予定で、制作は引き続きマッドハウスが担当しています。
物語は、第1期で描かれた一級魔法使い試験の直後から始まります。フリーレン、フェルン、シュタルクの3人は、旅の目的地である「魂の眠る地(オレオール)」を目指し、北部高原へと足を踏み入れます。1期が試験という「非日常」で締めくくられたのに対し、2期は再び「旅」に戻る。この切り替えが、フリーレンらしくて心地いいんですよね。
ここが良い①:新体制が守った「フリーレンの空気」
2期で最も注目されたのが、スタッフの刷新でした。監督は斎藤圭一郎さんから北川朋哉さんへ交代。キャラクターデザインも長澤礼子さんから、高瀬丸さん・小嶋慶祐さん・藤中友里さんの3名体制に変わっています。斎藤さんは「監督協力」としてバックアップに回る形です。
ファンとしては身構えますよね。でも、第29話「じゃあ行こうか」の冒頭で流れた馬車のシーンを見て、筆者は安心しました。1期の冒頭にも馬車のシーンがありましたが、あちらは勇者パーティの凱旋——つまり「旅の終わり」を描いていた。対して2期は、フリーレンたちが再び馬車に揺られて出発する「旅の継続」。同じモチーフなのに、そこに流れる空気がまったく違う。1期で築かれた「間」の感覚を理解した上で、新しい監督が自分のカットを重ねている。その誠実さが画面から伝わってきます。
キャラクターの表情も、線のタッチが若干変わっていますが、フリーレンの無表情の奥にある微妙な感情の揺れは健在です。北川監督は1期の第2クールで演出チーフを務めていた方。作品の呼吸を体で知っているからこそ、この移行がここまで自然なんだと思います。
ここが良い②:原作の行間を埋める「アニオリ」の妙
2期で話題になっているのが、アニメオリジナル——いわゆる「アニオリ」シーンの質の高さです。原作で2コマほどで描かれた場面を、アニメでは丁寧に尺を使って膨らませる手法が随所に見られます。
特にシュタルクとフェルンの掛け合い——ファンの間では二人の名前を合わせて「シュタフェル」と呼ばれるこの関係性が、2期では格段に描き込まれています。原作では行間に留まっていた二人のやり取りを、制作陣が「こういう会話があったんだろうな」と想像して補完している。それが原作の雰囲気を壊すどころか、キャラクターの魅力を倍増させているんですよね。
「アニオリ」と聞くと原作ファンは警戒しがちですが、『フリーレン』2期のそれは「改変」ではなく「行間の翻訳」と呼びたくなる仕事です。ファンからも「神アニオリ」と評されているのは、制作陣の深い作品理解があってこそだと感じます。
ここが良い③:Mrs. GREEN APPLEとmiletが彩る新しい旅の音
1期ではYOASOBI「勇者」やヨルシカ「晴る」、そしてmiletの楽曲が作品の顔でした。2期ではOPをMrs. GREEN APPLEが担当し、新曲「lulu.」(ルル)を書き下ろしています。軽やかさの中に切なさが同居する楽曲で、北部高原の風景と重なると不思議と胸が締めつけられる。フリーレンという作品の「明るいのにどこか寂しい」空気に、見事にフィットしています。
EDはmiletが続投し、「The Story of Us」を歌っています。注目すべきは、1期に引き続きアニメの劇伴を手がけるEvan Callさんがこの楽曲の編曲も担当していること。劇伴と主題歌の音色が地続きになっていて、エンディングに入る瞬間の没入感が段違いなんです。1期から続くEvan Callさんの繊細な劇伴も健在で、静かなシーンほど音楽の力を感じます。
ここが気になった:全10話という短さ
率直に言うと、2期が全10話というのは寂しい。1期が全28話だっただけに、「もっと見たい」という気持ちが先に立ちます。北部高原の旅は原作でも丁寧に描かれるパートで、10話でどこまで拾えるのかという不安は正直あります。
ただ、2期の前半5話(第29〜33話)を見た限りでは、密度の高さに驚かされました。アニオリによる補完もあって、1話1話がしっかり「満足感のある30分」になっている。短いからこそ一切の無駄がない。2月27日からは新章「神技のレヴォルテ編」に突入し、三木眞一郎さん演じるレヴォルテの登場も控えています。残りの話数にも期待が高まります。
こんな人におすすめ
- 1期が好きだった方:スタッフは変わっても、作品の空気はそのままです。安心して旅の続きを楽しめます
- 原作を読んでいる方:アニオリによる「行間の補完」が新鮮な驚きをくれます。原作既読でも初見の感動がある
- 映像と音楽が美しいアニメを探している方:ファンタジーに馴染みがなくても、マッドハウスの背景美術とEvan Callの劇伴だけで見る価値があります
- 2026年冬アニメで何を見るか迷っている方:1期未視聴でも、今から追いかける価値は十分にあります
まとめ:安心した。そして、もっと見たくなった
『葬送のフリーレン』2期を5話まで見た筆者の率直な感想は、「安心した」。そして次に来たのが「もっと見たい」でした。新しい監督、新しいキャラデザ、新しい主題歌。変わったものは多いのに、画面から伝わる温度は変わっていない。これはスタッフ全員が『フリーレン』という作品を深く理解し、愛しているからこそ実現できたことだと思います。
旅はまだ続いています。残り5話、この旅路の行く先を見届けたい。
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作品情報
- 原作:山田鐘人(原作)/アベツカサ(作画)『葬送のフリーレン』(小学館『週刊少年サンデー』連載・現在休載中)
- アニメ公式サイト:https://frieren-anime.jp/
- アニメ制作:マッドハウス
- 第2期 監督:北川朋哉(監督協力:斎藤圭一郎)
- 第2期 放送:2026年1月16日より毎週金曜23:00(日本テレビ系「FRIDAY ANIME NIGHT」)
- 第2期 話数:全10話
- OP:「lulu.」Mrs. GREEN APPLE / ED:「The Story of Us」milet
- キャスト:種﨑敦美(フリーレン)、市ノ瀬加那(フェルン)、小林千晃(シュタルク)、井上和彦(南の勇者)ほか
- 配信:Amazon Prime Video、Netflix、U-NEXT、ABEMAほか各種サービスで配信中